交牧連クラブユース@東京2016



さすがに12月。寒い朝も出てきました。でも、まだ割と過ごしやすいと感じています。
これは、かつて新潟にいたり、長野の山にいたり、黒部の山にいたりした期間が
影響している気がします。やはり、平野部は暖かいんだと思います。
とても過ごしやすいと感じる、高岡の国吉は佐加野。ありがたい環境です。

さて、ちょっと時間をさかのぼってみます。
先日12月の初めに、東京へ一泊で行ってきました。
一泊といっても、出発の朝は搾乳と2日分の餌やりをして出発しましたし、
翌日は夕方からまた牛舎作業をしていました。もはや日課です。

何をしに東京へ行ったかというと、私が参加している地域交流牧場全国連絡会という
組織の中の、クラブユースという40歳以下の酪農家、従業員、関係者がメンバーの集まりがあります。
そのクラブユースでは全国で年に2回集まって活動をしています。
そこに久しぶりに参加させてもらいました。

今日は、そこで出会った酪農家を志している若者の話。

私も高校の時に、全国の知り合いで「実家は非農家だけど酪農家になりたい」という
友人がたくさんいました。
でも、30歳になった今、周りを見ても、実現した人はいません。
良くて、まだ牛にかかわる仕事を続けているといった具合です。

そして、今回の東京でも20代前半の若者、学生に「酪農家になりたい!」
「自分の牧場を持ちたい!」という人はいっぱいいました。
たぶん、感覚的に、自分の学生の時より多いんじゃないか?と思うほどでした。
非農家で新規起業した人間という事で、話しかけてくれる人もいましたし、
席が隣になって話ができた人など、さまざまでした。
それぞれに、悩みがあって、それぞれに私の思うところを伝えました。

中でも多かったのが、
「先にほかの業界を見てきたほうが、後々役に立つと思っている」とか
「まず今いる職場で人脈を築いてから」とかいう考えをよく聞きました。

それらは、確かに無駄ではないんですが、私は違うと思うので、伝えました。
「酪農家になりたいのなら、一番やるべきは、酪農家になるための準備」だと。
将来、自分が持つであろう牛舎とその環境、そこに飼う牛群と成績。
導入は?飼料は?機械は?光熱費は?地代は?乳価は?受胎率は?分娩間隔は?
治療費は?事故率は?廃棄率は?人件費は?衛生費は?子牛価格は?廃用価格は?

無数の数字に触れたことがあるか?難しそうで、膨大で、どこが終わりかもわからない。
とても大切なことだとわかっているけど、目をそらしてしまう。
経営で最も大切で終わりのない数字を相手にするのが一番大切だと伝えました。

この準備は絶対に早いに越したことはない。
これがないと、自信も持てない。説得もできない。お金も借りれない。
一番要の準備だということ。

そして、チャンスは突然やってくる。
しかも、自分の理想の形じゃないことがほとんど。
その時、様々な状況を数字にしてきたことが役に立つ。
牛が1頭増えたら、どこの経費がどれだけ動く?収入がどれだけ変わる?
そういうのがざっくりだけどイメージできる。
そして、もっと重要なのが、与えられた環境の中で、
固定費と工夫次第で動かせる費用を見極めて組み合わせることができるようになる。
つまり、極端な話、どんな環境下でも酪農を成功させる道筋をつけることができるようになる。
そうしたら、酪農を失敗するイメージができなくなるんです。

そういう自信をつけることが、何よりも重要な準備だと伝えました。

絶対に力になるし、活きてくる。それは経営を始めた後、特に感じると思います。

絶対に、酪農家になってほしいと思います。

がんばれ!って思う。

酪農業界の霜も、絶対溶かせる。
太陽はいつだって登ってくる。登っている。
日差しを遮ろうとする雲は絶対現れる。
それをどうかわすか、どう振り払うか、どう活かすか、気にしないか。

選択肢は無限です。

全国に酪農家は17000もの酪農家がいるんです。
17000人にやれてること、できないはずがないじゃない。

なにも特別な仕事じゃない。特別視する必要はないよー!

長くなりましたが、ひとまずおしまい!

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