事業承継セミナーへ登壇
先日、事業承継セミナーに参加し、私は酪農という立場から、事業の未来について深く考えさせられました。そこで見えてきたのは、「ああ、なんだ。悲観的なのは、農業だけじゃなかったんだ」という事実です。私たちが農業特有だと諦めかけていた課題は、世の中の中小企業全体に共通していました。
しかし、そのデータは同時に、私たちが事業を諦める理由などないことを示唆しています。
なぜなら、多くの事業者が事業をたたむ理由として挙げる「自分の事業には価値がない」「引き継ぐ価値がない」という言葉は、本当に虚しく、機会の損失に他ならないからです。事業とは、公に、地域に認められて初めて成り立つものです。その面白さを続けてきたにも関わらず、価値がないと終わるなんて、私は絶対に嫌です。
私たちが手がける酪農という仕事は、社会に必要とされるからこそ、牛乳を買い続けてもらえるのです。事業に価値を打ち出し、社会に貢献できると信じること。これが、後継者を育み、事業を次世代に繋ぐための唯一の道だと確信しています。
現在、第三者承継によって、価値を見出された事業は売上を伸ばしています。これは、現在の経営者が、たった少しの視点の変化や心の持ちようで、まだ事業を伸ばす余地があったにも関わらず、未来を見ることができなくなっていた、ということの裏返しです。
もしあなたの事業に価値がないと思うなら、その価値を今から打ち出す努力をすべきです。
AIや集約化の流れは、確かに効率的で楽な社会を作るかもしれません。しかし、それは個人の能力が発揮できず、毎日が淡々と過ぎていく、つまらない、虚しい街を作ってしまいます。私たちは、楽なことだけを求めて波風が立たない人生を送っていたら、結局退屈してしまう人間です。
辛さや苦労を味わいながらも、自分の能力を最大限に発揮し、課題を解決し、やりたいことを表現する。そうした前向きな挑戦者が増えることで、シャッター街は活気を取り戻し、多様でユニークな社会が生まれます。失敗を恐れず、再チャレンジができる社会を創る。
私たちは、誰かに頼るのではなく、一人ひとりが自分の行動で町を豊かにし、選択肢を増やすのだという自覚を持つべきです。
クローバーファームは、この酪農の分野から、日本の社会全体をよりポジティブに変えていく人材を育成し、そのための雰囲気を作っていきたい。未来の子供たちに、100年後にはもっと良くなった高岡や日本を託すために、共に一歩を踏み出しましょう。
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