牛乳でスマイルプロジェクト交流会@東京会場

 


10月16日に、東京に行ってきました。

目的は参加している「牛乳でスマイルプロジェクト」の交流会に参加するためです。


10月に入り、来年収穫するための牧草の播種を行うために、

今年度から地域に任せていただいている農地の播種前準備をしていました。

これまで水田として利用していた土地を畑地化して牧草生産を始める。

これは、言葉にすれば一行で終わる表現ですが、実態は非常に苦労が多く

水を張って栽培する水田から、水はけの良い畑に移行するという事は

先輩農家も「やりたくない」ような、トラブル発生を前提とした

対応力と忍耐力が試される大仕事です。

播種直前の仕上げのために、朝晩の牛の世話に加えて、畑の準備。

晴が続くときは、作業のチャンスなので、牧場メンバーで協力して、

一日約15時間程度動きっぱなしの日々となります。

それでも作業は遅れ、機械のトラブルもあったりして、

表題の交流会への参加が難しいかもと、思っていましたが、

ちょうど天気は雨となり、畑の準備が困難なので、

割り切って東京に出てきました。


私が今回交流会で得たかったものは酪農家を取り巻く

多くの業者や支援者の酪農やミルクへの思いや考えに触れる事でした。

また、具体的にどのような支援を考えてくれているのか、

どういう応援が新たに生まれるのか。

そういう空気感を感じながら、

酪農家として、その会場に出向きケツを蹴ってもらうためでした。


会が進むにつれて、感じたのは

やっぱり「みんな酪農家に優しすぎるぜ」って事。

まぁ、スマイルプロジェクトというタイトルなので、

皆さんポジティブに自身が取り組める内容を熱く語ってくれました。

講演をしてくれた4名の支援者も、

その熱量に酪農家としてケツを蹴られた気持ちになりました。


ケツを蹴るなんて表現をしてますが、

私自身、日頃より思うことがあって、

牛乳・乳製品や酪農現場を支援しようとしたときに、

ミルクとしての本来持っているポテンシャルの上に、

これだけ品質も物量も満たしているこの業界をさらに推すために

食育や命、多様な利用方法やアイデアを実行してくれている方々が

未だ次を考えようとしてくれている中で、

「酪農家は?」って思うことが増えています。

ああいう場にいて「ありがとう、ありがとう」と手を合わせている状況では

スマイルプロジェクトのお荷物になるよなって思っています。


新たな支援策を打ち出してもらうために、

今までにないマーケティングを実行してもらうために、

酪農業界の今の状況を広く見渡してみたときに、

ヨグネットの向井さんから「情緒を売る」とい表現も出ましたが、

次のステージはそこだと私も思っていましたし、

じゃぁ、そのためには今の酪農現場の生産スタイルで

「情緒は売れるか?」と日頃より思って危機感すら覚えています。

このままでは支援は遠のいてしまう。

進み続ける酪農現場でないと、期待して応援なんてしてもらえなくなるのでは?

そう思い、日々進み続けています。


今回の交流会では「もっと酪農家に求めてくれ」って言ってきました。

「酪農家さん」ではないです。少なくともスマイルプロジェクト内では。

みんなで酪農業界、日本の食をより高みへ持ち上げるために、

生産現場へのリスペクトはありがたいですが、

その上で、対等に「もっとコレできんか?」って話をしてほしいと。

甘やかしすぎて、勘違いしている人を出さないために、

「生産現場の前向きな変化や意思表示がないと支援が出来んステージだぞ」と

私自身が勝手にそう思っていた段階から

「あ、他にもそう思ってるっぽい人がいるな」と感じれた今回の会は

非常に刺激的だし、そういう思いを抱いている人との会話から

生まれたやるべき課題が見えた今回の交流会は良い成果を得られたと思います。


さぁ。相変わらずやるべきことと芯が強くなった部分も含め、

新たに、あるいは価値は感じていたけど隣に避けていた事も含め、

良い課題をいっぱいいただきました。

しっかりケツを蹴り上げてもらいました。

シャンとします。

スマイルプロジェクトメンバーとして支援される側ではなく、

スマイルプロジェクトメンバーとして共に活動できるように、

(ともに活動してるつもりですが、そういう接し方はされてないとやっぱり感じた)

気合い入れなおして頑張ります。

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