牛の餌を勉強しても牛は飼えません


今日は牛の餌の考え方について少し触れたいと思います。
餌の勉強って難しいイメージがあると思います。
TDNCPADFとかNDFなどなど基本的なものだけでも、既にウエッってなりますが、現代の試料分析技術は進みまくって、もう訳が分からない状態になっています。
私もそうでしたが、たぶん餌を勉強しようとする人は、もうどこから手を付けて良いのかさっぱり。やーめたっ。ってなると思います。
もしくは、給与技術の方へシフトして技術の勉強を始めると思います。

しかし、餌を勉強する上で、最も重要なのはルーメンと牛の生理を知る事です。

餌の事を知っても、牛の事を知らないと意味が無いのです。

なので、断固としてルーメンと牛の生理を勉強してください。

例えば、
Q.乳脂肪分を上げるためには、何をすればいいですか?
という問いに何と答えるか、これが重要です。
餌の勉強をしてきた人は、「NDFをあげる」ような事を言うかもしれません。
給与技術を勉強した人は「粗飼料を増やす」というかもしれません。
しかし、NDFを上げても乳脂肪が上がらない場合だってあるし、
粗飼料を増やしても変わらない場合も考えられるのです。
そして、ましてやそれが原因で乳脂肪が下がってしまった場合もあります。
こうなると、おそらくパニックです。
しかし、ルーメンと牛の生理の勉強をしていれば、回答は大きく変わります。
「ルーメン内に糖を今以上に長く留める事」です。
これを達成するために、どういう数字を持つ飼料を、
どのように給与するかを選択すればいいだけなのです。

今、周りをみても、細かい数字に頭を抱えたり、
給与技術に自信を持ち、牛の異変を無視している人を良く見ます。

しかし、根本的な原理を学べば、数字は参考資料でそれほど意味を成さず、
給与技術は問題解決の手段でアイデアに過ぎない事に気づくはずです。

特に、酪農家を目指す人や、現場で飼料を扱う人、
そして、飼料技術を指導する方には、
今一度、牛を知るという原点に立ち返っていただきたいと思っています。

難しい横文字も、数字も、最新の飼料も給与技術も、よくわからない添加剤も、

本当に牛の為になっていますか?

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