廃用の判断

この牛は、昨年の11月30日に分娩をしました。
実は、一時は廃用も検討したこともある牛です。
一昨年の秋に北海道から経産牛の孕みとして連れてきたこの牛は
産んでみたら乳質(体細胞)が非常に高く、
しかも、4本の乳が順番に乳房炎を何度も繰り返すという
非常に生産性の悪い牛でした。
当然、乳量も低く、一時は乳房炎の熱で著しく弱った時期もありました。
それでも何とか受胎して、昨年分娩できたんです。
今回の産次もダメかなーと思っていたんですが、
蓋を開けてみれば、体細胞数は一桁が続いているし、
4本いずれも乳房炎を発症していません。
そして、なにより乳量が未だに一日に45㎏以上と絶好調。
発情もしっかりしたのが来ていて、思わず判別精液を付けました。

一回のお産を境にこれほどまでに改善するとは思いもよりませんでした。
増頭したいがために、意地でも次の産次に繋げた結果が功を奏したわけです。
こういう経験をすると、牛の命を廃用という形で終わらす決断に
難しさを感じたりします。当然、それも畜産なわけですが、
少なくとも、乳質ってものを判断材料にするのは違うかもなぁって
この牛を見ているとそう思ったりしました。

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