離農と就農

今日は、富山県内で今月離農を決断された酪農家さんのところへ。
牛舎に入ると、すでに頭数は1/3ほどになっていました。
何度見ても、この光景はつらいです。
あさってには全ての牛がいなくなるそうです。

今日の目的は、酪農家さんの使っていた機械設備を売ってもらうため。
今日もいつも通り動かしていた機械を引き継いで、
初期投資をできるだけ抑えるのが目的です。
農家さんもこの事にとても協力してくれているので助かります。
ホイールローダーとダンプ、バルククーラーなど
酪農を開始するうえで必要なものをしっかり抑えてきました。

これまでも、酪農家が離農していく光景を目の当たりにしてきましたが、
家族同然で暮らしてきた牛を処分という形で終わらせること。
これまで作り上げてきた施設にお金を払って処分していく事。
日々、休みなく家事の用にこなしてきた仕事がなくなること。
それらを想像すると、グッと胸を締め付けられる感覚になります。

やはり、酪農という産業は、続いていくべき仕事だと改めて思います。
一代で立ち上げて一代で終わっていく、サービス業やチェーン店のようなものとは大きく違う。
その地で、受け継がれていくべき技術の詰まった産業。

辞めて行く農家と始めたい人とがもっと上手く繋がれて、
続いていく事例をドンドン増やしていける事を望みます。

そのためには、渡す側の意識。
受け取る側の意識。
そして、そのバトンタッチをサポートする内容のマッチングが
今よりももっと、目的を達成するためのものになっていかないといけないと感じます。


今回、私が酪農家さんから受け継ぐ形は、酪農が続いていくという意味では
決してベストな形ではないけれど、
私が酪農家として走っていくために、しっかり活用させて頂きたいと思います。

離農されていく農家さん。42年間、本当に、お疲れ様でした。