命を金に換算する商売

先日、雨のなか、ひとつの決断をしました。

5月の30日に、廃業農家からやって来た牛。
到着直後から痩せて食欲がなく、即治療開始となりました。
その後も、全快とはいかず、細々と食べる程度で、
更に少しずつ痩せていきました。
そして先日、股開きをしてしまい、
直後の吊り上げ等により自力で立てるようになりました。
しかし、すぐ数日後に再発。
そして今度は起立不能。

実は9月20日にF1の分娩予定を控えていました。
分娩後、搾れなかったとしても、子だけは生ませて
少しでも購入金額に充てようというつもりでした。
この事故と、牛の状態から、分娩まで持たせることは困難と判断し、
子牛をも諦めることにしました。
ここからはいかに、この牛に価値を持たせるかです。
緊急出荷で少しでも肉を取る事と
廃用認定による共済金の受取を狙います。

約60万円で到着したこの牛の、
到着直後からの食欲不振。
そこから直ちに金の勘定が始まる。
牛を使って生活をしている私たちにとって、
酪農とはそういう職業です。

分娩日までどう持たせるか?
産んだ後、搾れる体調を作れるか?
そもそも無事に産めるか?
腹の子は何か?
共済金はいくら見込めるか?
どこまでの治療が可能か?

いかに、事故なく、疾病なく牛を飼う事こそが
経営にゆとりを持たせ、
命と金とを天秤にかけずに済むことにつながるか。

やはり、目指すところは、事故ゼロ・疾病ゼロです。