野菜を給与する

最近の取り組みとして、年末からスタートした野菜屑の給与があります。
これも町近郊型の酪農の強みだと思います。
きっかけは、野菜のカット工場の社長さんが電話をくれたことからです。
市内にある野菜のカット工場の存在を私は知りませんでした。
これまで、農家が販売に向かないとして捨てていた野菜を利用してはいましたが
シーズンに偏りがあるし、あったりなかったりしました。
しかし、野菜のカット工場は違いますね。
平日土曜日は毎日野菜の屑がでます。
ニンジンや大根、キャベツや白菜などの皮や切れ端、外葉などです。
しかも毎日、現物重で500kgくらいあるのではないでしょうか。
これをこれまでは廃棄処分されていたそうで、
おそらく経費的にもかなりの負担だったと思います。
当然、これらは牛は食べますし、フレッシュな野菜の持つビタミン類や
酵素などを牛に日々与えることができるのは、理論上、乳牛の健康に貢献します。
こちらの労働状況を説明し、引き取りに毎日伺うことは困難との意思を示したうえで
一定のお金を払わせていただくことで、話はまとまりスタートしました。
約一か月が経過しましたが、もちろん牛のし好性は上々で
500kgを30頭ほどで1時間もあれば完食してしまいます。
給与してきた感じとしては、反芻に影響を与えるような繊維の物理性は
期待できないなぁといった感触があります。
そして、給与後、顕著にバルク乳のMUNの2ポイントほどの上昇がみられました。
いわば、スプリングフラッシュ時の牧草を噛ませているような印象でいます。
実際に、便も緩くなりました。
なので、繊維のしっかりした草を合わせてやることが必要そうです。
ビタミン系の添加材の量は限りなくゼロにしてあります。

持続可能な産業を地域全体で考え構築していく動きに加われる。
酪農業はまだまだ可能性を秘めています。
新しい連携を通じて、より一層魅力的な産業となり
地域から愛される牛乳をより多く生産できるよう、2020も突き進みます。

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