初産の形が変わった

今年の夏ころから、うちで搾り始めた初産の牛の形が変わってきた。
これまでの育成方法から二転三転して、試行錯誤を繰り返してきた。
高タンパクによる飼養管理から少しづつタンパク給与を減らし、
配合飼料の量を当初の半分以下にまでする方法を模索してきた。
結果的に1/3近くまで減らせているかもしれない。

すると、当初の飼い方で育成した牛よりも、無駄な脂肪がつかず、
乳房の小さい牛が出来上がってきている。
そして、草を多く与えて育てた乳牛であるため、産んだ直後から、
飼槽の前に立って、餌を食べている時間が多いように感じている。
無駄な脂肪がないことは、肝臓への負担を減らし、
乾物摂取量を増やし、さらなる余分な脂肪の蓄積を抑える。

私が酪農に従事し始めたころは、育成牛の飼養管理において、
「高タンパクの濃厚飼料を多給する」育成と、
「粗飼料をふんだんに与え、配合を控える」昔ながらの育成と、
飼い方が2分されていたように思う。

高タンパクによる育成を意識していた新規就農先の影響もあり、
私の思考は、いかにしてたんぱく質を多給するかに注がれてきた。

しかし、自身の牧場を持ち、共進会を通して、乳牛としての身体を理解する中で、
これまでの育成方針にメスを入れていく中で、大きな意識の変化があった。

どうあがいても、無駄は無駄。
許容されてベストは発揮できない。
そう思い、試行錯誤をした結果が見え始めている。

我が家の乳牛は変わった。
この後に初産を迎える牛達は、さらに違ったアプローチを加えている。
そして、この後に控える牛達は、育成の段階で明らかにこれまでの、
うちの牛とはタイプが違う。
それは血統へのこだわりの変化でもあると思うし、
飼養管理方法の変化でもあると思う。

まだまだ試してみたいことがある。
酪農は本当に面白いと思う。

自分の牛群をもつという楽しさを、もっと若い人に知ってもらいたい。

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