種付け

乳牛と言えど、いつでも牛乳を出してくれるわけではありません。
牛乳は本来、母牛が子牛を育てるために出すもの。
つまり、子牛を生んだ母牛しか出すことが出来ないのが基本です。

子牛を生むためには、雄牛の存在が重要ですが、
酪農家の牛舎には、成熟した雄牛は飼われていないのが普通になっています。

現代の酪農では、凍結保存された精液、もしくは授精卵を用いて
メス牛を妊娠させる「人工授精(AI)」や「授精卵移植(ET)」が当たり前になっています。

今回はこのうち、人工授精(AI)の情報を少しだけ解説します。

人工授精(AI)は、生後1年を過ぎた頃の子牛や、
分娩後一定の期間が過ぎた牛に行います。
そして、この人工授精(AI)は、いつ行っても授精に結び付くものではなくて、
牛の発情(排卵のタイミング)を見つけて行います。
牛が排卵する直前に、液体窒素で凍結保存されている精液を融解し、
ステンレスでできた専用の注入器を使って、牛の子宮の中へ注入します。
凍結精液は0.25mlか0.5mlという極々わずかな量です。
しかも、この凍結精液は、精液が凍結と融解に耐えることが出来るように
様々なもので希釈してあります。
写真は実際に先日の人工授精(AI)に用いた凍結精液が入ていった0.5mlのストローです。
ストローの上方より、雄牛(種雄牛)の登録番号。
雄牛(種雄牛)の名号。
バーコード。
精液の採取年月日となっています。

この人工授精の普及により、
①近親交配の回避
②性感染症の拡散予防
③遺伝的改良スピードの向上
④雄牛による管理者の事故が減少
などなど、たくさんのメリットがあります。