肝臓への思いやり

乳牛に与える餌を考える上で、最も重要視している事が『肝臓』。
沈黙の臓器、肝臓。
人間も牛においても、その重要性は同じだと考えています。
そして、肝臓の事を徹底的に考慮して餌をやろうとすると、
自ずと餌のバランスは適正化されていきます。
ルーメンを持つ乳牛において、食べたものが単純に吸収される事はありません。
食べたものが、微生物によって分解され再構築されたものが吸収される。
胃袋の中で起こる微生物の営みを想像し、過不足ない状況を目指せないと、食べたら食べただけ肝臓への負担は大きくなります。
取り過ぎた糖質は肝臓で脂肪になるし、不足すれば体脂肪や筋肉からエネルギーを取り出すために肝臓が働きます。
過剰に給与されたタンパク質はアンモニアとなり利用しきれず、肝臓で解毒されますし、不足すれば微生物の動きが悪くなり、身体の生理も上手く機能しません。

まぁ、そんなこんなで、肝臓に負担がかかると、ホルモンの代謝も悪くなりますから、
繁殖にも影響が出てしまいます。
肝臓の元気が無いと、食欲も出ません。

肝臓は色んな代謝の通過点。
そこに負担をかけては、色んなところに影響が出る。
そういう事が言いたかったのです。

肝臓ケアの添加剤も多く出ていますが、
そもそもほんとうに今必要な肝臓ケアの添加剤ですか?
肝臓のケアをする前に、肝臓への負担を減らしてあげることが先じゃ無いですか?

肝臓を考えれば、生産性も上がり、無駄な餌給与が無くなります。
売り上げアップで経費ダウンですよ♪

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