牛は管理しきれない

自然分娩で生まれ、ゆったりと過ごしている。
酪農家を目指し、勉強する中で、自然と身に付く思考回路があります。
酪農とは、いか様に牛を管理し、経営を回すか。
その手段は、畜主の考え方やその牧場がおかれた環境によって左右されます。
健康に、自給飼料で、乳量を多く、経費を少なく、育種を、などなど
切り口は無数にあって、それが酪農経営の多様化を生み出していて
酪農を経営する上での面白さがそこにあると思います。

ですが、こんな考え方もできます。
「牛は管理できない」
私の考えは、この考え方に近いものがあります。
「生き物を管理する」
という思考回路はかつて、私も持っていましたし、
その質を向上させようと必死で学んで実践していた時期もありました。
しかし、その取り組みは実践すればするほど、人が疲弊し
牛と良い関係を築くことが難しいという、半ばあきらめの様な間隔を抱きました。
そんなときに、牛も人と同じ生き物だという事を思い出しました。
牛を生き物として尊重し、共に暮らすという意識が、
「共生」という関係を築くことに、互いにメリットが生まれると気づきました。

生きる力を利用して、生きていく。
農業、畜産の醍醐味かと思います。

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