非農家が酪農家になること。

非農家でも、努力すれば酪農家になれる。
と、若い世代が夢を描ける世の中になって欲しい。

厳密に言うと、夢を描いている人は結構いると思うけど、
その過程で実現に至らず、そのままあきらめてしまう人が
とても多いのではないかと感じています。

私が非農家から独立に向けて実際に直面してきた多くのハードル。
「既婚か未婚か。」
「知識と経験と経営感覚のレベル。」
「地域への溶け込める人間性を持ち合わせているか。」
「親族からの理解は得られているか。」
「経営移譲・新規開業・居抜きでの買い取りそれぞれのメリットデメリット。」
「就農地域から煙たがられないか。」
「お金がかかるが、お金が借りれない。」などなど。

実際に踏み込んで話が進捗しないと分からない事がこれまでにもたくさんありました。
きっとこれからも、どんどんと色々な話が出てくるとは思います。
この実体験と、ここから見えて来たものを必要とする人に話していく事も
必要と考えています。
少なくとも、これまで私はそういった話を聞きたかったし知りたかった。
インターネットを見ても、この辺の突っ込んだ話は知れないのが現状で、
その先の見えない感じが、これまでもずっと怖かった。
こういう人って多いんじゃないかなぁ。と思います。

全ての離農していく酪農家を引き継ぐのは、
その酪農家のおかれている環境によっては現実不可能な場合は
大いにあると思います。
ですが、「もったいない」と感じる牛舎環境も大いにあると思います。

自分の経営が始まっていない中で、こんなことを考えるのも違うかもしれませんが、
この先5年、10年の間に、全国の酪農家が年齢などの理由で、
たぶんかなりの数の酪農家が廃業となっていくと思います。

牛の命を経済的な流れを見ながら、自らの手でコントロールするという、
命の決断を多く迫られ、自分の未熟さ次第では、無駄に命を殺し、
家族の生活をも苦しいものにする。
決して簡単な仕事ではないですが、
酪農家が長い年月をかけて繋げて来た「血」と「土」と「技術」を次の代へ。
国が多くの資金を投じてここまで作り上げて来た日本の酪農と言う形を、
あっさりと手放すように見放しては勿体ない。

この先、自分にも何かできないかと色々な視点から
考えて、実行していく必要があると考えています。